2024.4.14《 私の弟子がそれぞれに活躍!》
私には現在、弟子が四人います。昨年あたりからそれぞれ活躍ぶりが顕著になってきて、まことに嬉しいかぎり! ここらで皆を紹介しましょう。
一番弟子は、桂團治郎(かつら・だんじろう)。2009(平成21)年4月4日入門。大阪府立東住吉高等学校の芸能文化科に通ったほどの演劇好き。大阪芸術大学短期大学部に在学していた頃に三林京子さんのクラスで教えを乞うていました。芝居好きゆえ、私は彼にさまざまな芝居噺を教えています。彼は後輩への面倒見が良く、頼りになる一番弟子です。
また、彼はNHK大阪放送局が立ち上げた上方落語界のアイドルグループ「らくご男子」のメンバー(桂團治郎・桂あおば・笑福亭呂翔・桂源太)の一人でもあります。「らくご男子」によるレギュラー番組もあり、タイトルが「とっておき! 朝から笑タイム」。でも、あまり知られていません。なぜなら放送時間が毎週土曜日の午前5時15分〜45分だから(^^;; しかも、近畿地方のみの放送。リアルタイムでなくとも、NHKプラスなどで観てやって下さい🍀
二番弟子は、桂米輝(かつら・よねき)。2011(平成23)年7月7日入門。関西大学在学中から落研(オチケン)でかなりの実績を残す逸材だったとか。それもあってか、噺家六年目にして上方落語協会が主催する上方落語若手噺家グランプリで優勝し、昨年は繁昌亭大賞の「新人賞」に選ばれました。古典はもとより創作意欲も旺盛で、自身のYouTubeチャンネルで定期的に新作落語を立ち上げています。
彼は音楽センスに優れており、いろんな楽器を見事に演奏します。三味線、ギター、ピアノに篠笛、アコーディオンにトロンボーン、銅鑼に四ツ竹、半鐘に法螺貝…。
スキンヘッドにつぶらな瞳の印象的な顔立ちですが、スキンケアは徹底していて、日焼け防止に余念がありません。お肌ツルツル! 一度、ほっぺを触らせてもらって下さい。なぜか「ぴよぴよ」と、ヒヨコ語を発します🐣
三番弟子は、桂慶治朗(かつら・けいじろう)。2012(平成24)年5月19日入門。彼は若い頃から努力家で、さまざまなアルバイトをして学資を蓄え、甲南大学に入学。卒業後はサラリーマンとして不動産関係の会社に就職するも、「自分の仕事はこれじゃない。そうや、落語家になろう」と思い立ち、たまたまYouTubeで私の落語に出会い、高座に通うようになったと言います。そんな彼が昨年、NHKの新人落語大賞を獲得するなんて…思ってもみませんでした。しかし、今、振り返ってみるに、二年ほど前からの彼の落語に対する力の入れようは目を見張るものがありました。沢山の先輩方に頭を下げて稽古をつけてもらい、ネタ数をどんどん増やしていたのです。「長年の努力が報われた」と言えるのかもしれません。
今年度は毎月一回、繁昌亭夜席を借り、必ず一席はネタ下ろしをするとのこと。さらに高みを目指す彼の挑戦に乞う、ご期待🌲
四番弟子は、桂米舞(かつら・まいまい)。2022(令和4)年2月1日入門。私が初めてとった女性の弟子です。入門志願に来た彼女を見た第一印象は「この子、育つんやろか」でした。めっちゃ小柄で、おぼこい顔立ち。「関西大学の3回生です」と言われても、俄には信じられませんでした。実際、道行く人からは「中学生?」と言われるし、八坂神社の守衛さんには「可愛いなぁ。今日は七五三?」と、七歳の女の子に間違えられる始末。でも、これも御縁かなと、弟子にした次第。
しかし、彼女は不思議と運を持っているようで、入門一年目でNHK総合テレビの『サラメシ』に登場したのです。なんでもその年に「新入社員特集」が企画され、噺家一年目も新入りだということで特別枠に…。兄弟子を差し置いて、全国放送の出演、一番乗りとなりました。二年目には演出家、わかぎゑふさんの目に留まり、新歌舞伎座と御園座の出演も果たしたのです。
まだ、内弟子修業の真っ只中ですが、今のうちに自立する体力と精神力を養ってもらいたいと願うばかり🌿
実は、團治郎の前に、もう一人、桂米市(かつら・よねいち)という名の弟子が居たのです。彼は、私が小米朝から米團治に名前が変わる頃、約三年間、私のもとで修業をしていました。ちょうど私の襲名披露公演が続く頃で、クルマの運転や大師匠(米朝)のお世話などを甲斐甲斐しく勤めていたのです。
しかし、まぁ…いろんな事情が重なって落語家としての道を閉ざすことになりました。が、彼は今や立派な社会人として成長し、時々、落語会にも顔を出してくれています。我が一門の一番の応援者かもしれません😊
私をはじめ、米團治一門はこれからどうなって行くのやら。いささか楽しみでもあります。お客様に喜んでいただける舞台づくりに精進いたしますので、これからもご指導ご鞭撻を賜りますよう、ひとえにお願い申し上げます🙏