「言いたい放談」<6>(2007年6月22日)
国土交通省の計らいで、今年、伊丹空港が第二種空港に格下げされることはなくなりました。大阪人の私としてはホッと一息。
でも、現実はどんどん便数が減らされてゆき、機種も小型化の一途です。市街地に近くて、利用率も高いのに・・・。赤字の関西空港(関空)にお客を回すための行政指導だとか。
実際、伊丹をよく利用する私が札幌や沖縄へ行く時は不便で仕方ありません。関空から札幌へはJALもANAも日に5便も飛んでいるのに、伊丹からはJALで2便、ANAは1便だけ。神戸ですら3便ずつあるんですよ。この伊丹締めつけは何なんですか。市場原理に反していますよね。
ところが、東京-大阪間だけは別なのです。関空より伊丹のほうがはるかに多い。JALは関空7便に対し、伊丹14便。ここだけは市場原理にかなっているのです。だから、なおさら東京の人には伊丹のひもじさが分かってもらえないのかもしれません。
かつて私は、東京の人に大阪を案内する時、必ず伊丹空港着陸地点直前のビュースポットに連れて行きました。ジャンボが来たら、「わぁー、車輪が頭に当たる!」としゃがみ込んでくれたものです。そう、大阪の魅力は人とビルと飛行機が混然一体となるところにあるのです。しかし、関西の自治体はプロデューサー不在で、このロケーションの面白さを活かしきれぬまま、今日に至りました。
どうか、東京の皆さんのお力で、伊丹空港に再びジャンボを就航させてやって下さい。そして、関空、伊丹、神戸が共栄できる知恵をお貸し下さい。
※一言加筆・・・とうとう伊丹空港は関西国際空港株式会社に経営統合されることになりました。私は胸のいたみに耐えかねております。黒字会社が赤字会社に吸収合併される…何か腑に落ちないものを感じますが、世間にはよくあることかもしれませんね。阪急と阪神の統合のように…。誤解のないよう申し上げますが、私は関空のロビーの雰囲気は好きです。広くて明るくて…。でも、伊丹に人が集まるのは、それなりの理由があるからです。それを無視して、伊丹空港の縮小ばかりを実行して行ったら、ますます大阪での仕事が減って行くのではないかな。交通網に関して、大阪はもっと東京や福岡を見習うべきだと思います。