「言いたい放談」<17>(2007年12月21日)
先日、京都の清水寺で意思年の世相を表す漢字が発表されました。今年(執筆当時2007年)は「偽」。立て続けに食品の偽装が発覚しましたからね。
で、ふと思いました。「偽」の字源は何だろうと・・・。字典を見てびっくり。「人が為すこと」とあります。人間が為すことはすべて偽りなの!? そういや、私も多くの嘘をついてきたよなぁ・・・。逆に言うと、「天意に沿って行動することが真」となりましょう。
えっ、ちょっと待って!そもそも、消費期限は人が決めたことですよね。じゃあ、この判断基準にこそ偽りの可能性があるんじゃないの? 本来、人間は自分の舌に天意を感じて食べる食べないの判断をしてきたはず。それがいつしか額面通りのマニュアルに委ねられるようになりました。
赤福は、考えようによってはリサイクル、リユースの精神にのっとった行動だったと言えるかも・・・いや、偽装は許されることではありませんがね。
誰かが早くこの消費期限の基準を見直さないと、日本の美徳であるはずの「もったいない精神」が消えてしまいますよ。例えば、加工・調理用のバターなど、冷凍しておけばいくらでも長期保存できるのに、期限が定められているので、大量に捨てられてしまうのです。もったいないけど、期限切れを使うと罪になる・・・難しいなぁ。
嘘と真実(マコト)の間(ハザマ)を行くところに芸が生まれると説いた近松門左衛門の「虚実皮膜論」をなぜか思い出しました。
さしずめ、私に賞味期限のレッテルが貼られぬよう、来年は天意に沿ったしゃべりを実践します。