小米朝流「私的国際学」<11>(2001年3月17日)

3月13日、ついに日経平均が12000円を割った。そして、「森政権の不透明さに嫌気」とか「日本の経済構造に問題あり」などの理由があげられた。ワイドショー的ニュースに一喜一憂していると、本質が見えなくなるよ。今回の株価下落は外国人投資家の売り浴びせが原因。リンク債で外資系証券会社が儲けるための株価操作だと私は確信する。

個人でも手軽に買えるリンク債。株式市場の相場とリンクさせた債権のことで、決算日までに一定の価格(12000円とか11500円)を割らなかったら高い配当金が付く。が、一度でも下回ってしまうと元本割れした株券で返ってくるというバクチまがいの代物で、外資系特有の商品だ。今月末までにもう一度ストンと落ちるだろう。

昔は、株は親から子へ伝える資産運用の方法だった。しかし、プラザ合意(1985年)以降、実態をはるかに上回る金額が飛び交う投機市場に変ぼうした。国際金融界のプロたちは高値で売り抜ける術を心得ているが、多くの日本人は株に振り回されている。

バブル崩壊後も、国際経済システムに協調せよとの指令を受け入れて、ビッグバン(=大爆発)が始まった。ディリバティブとやらで、銀行もそれまでの業務から投資信託会社に姿を変えて、大口の個人資産を運用し、だれのカネがどれだけあるかわからぬ状態になっている。

山一からメリルリンチへ、長銀からリップルウッドへと、彼らは鮮やかにおカネを移動させた。「皆さん、まだわからないの?」と、笑われているようだ。日本の総理大臣や財務大臣は人形だったということに早く気付きなさいとね・・・。

確かに証券市場は面白いけれど、ギャンブルは最終的に胴元が儲けるものだという原則を忘れてはならぬ。案外、金(きん)を買って家に置いておくのが得策かも・・・。数年後に誘導されるであろうハイパーインフレに備える意味でもね。