「言いたい放談」<3>(2007年5月11日)

今なお解決せぬイラク問題。米国議会がイラクからの米兵撤退を決議しても、拒否権を発動するブッシュ大統領。戦争は起こるものではなく起こすもの・・・ですかね。

実は私、米軍がイラク空爆を開始する前日の2003年3月19日、赤坂のイラク大使館にいたのです。そこでシャーキル駐日代理大使から次のような話を聞きました。

「明日、米軍は必ずイラクを攻撃するでしょう。なぜならイラクに大量破壊兵器がないからです。北朝鮮には攻撃をしかけません。本当に危ないものを持っているからです。我々が反撃できないことを知っていて攻撃する彼らのやり方は許せません。」

翌日、彼の発言通り、爆撃が始まりました。そして、「大量破壊兵器保有の疑いが濃厚」と主張していたにもかかわらず、結局何も出ずじまい。でも、フセイン大統領は処刑されるに至りました。

イラクに厳しいアメリカは、イスラエルに対しては潤沢の軍事資金を用意し、国連のイスラエル非難決議にも拒否権を行使し続けています。キリスト教国がユダヤ教国におカネを回しているというもの面白いですね。最新兵器を持つイスラエル軍に対し、イスラム原理主義者たちは投石か自爆テロで応戦。泥沼化の一途です。

私は、一神教の国家間の戦争を解決するには、多神教の精神の投入が不可欠だと思うのです。わが国こそ仲介役にピッタリではないでしょうか。八百万(やおよろず)の神々がうまく棲み分け、和を以って貴しと成す日本がリーダーシップを発揮できたらいいんですがね。