「現代のことば」<8>
昨今、炭水化物ダイエットなる言葉をよく耳にします。
私は当初、炭水化物だけを摂って痩せる方法なのかなと思い込んでおりました。なんと、逆なんですってね。炭水化物を摂らずに体重を減らそうとするなんて・・・体に悪いことこの上ないと思うのは私だけでしょうか。
太古の昔から日本人の主食はコメでした。水稲が普及する前は、栗や粟、イモなどを食べていたのです。すべてこれ炭水化物!
江戸時代に入ってからも、商家の食卓は番頭から丁稚に至るまで白米と味噌汁と漬物三昧でした。たまに出る夜食は、うどんだけ。おかずが出るのは月に2回(朔日と15日)。それでも元気に働けたのは、ご飯のおかわり自由であったから。奉公人のせめてもの心の拠り所でした。
旅人の弁当に決まって出たのがにぎり飯。梅干と塩を利かせた「おにぎり」こそが活力の源。
「雨ニモマケズ」の宮沢賢治でさえ、「一日玄米四合ト味噌ト少シノ野菜」を食べていたのです。現在、コメを一日4合食べている人って、どれくらいいるのかな。
昔の駅弁は「日の丸弁当」でした。ご飯が9割、おかずが1割。そのころ、生活習慣病(成人病)の患者数は今よりもうんと少なかったのです。ところが、おかずの量がご飯の量を上回った昭和の後半あたりから、糖尿病やがんの患者数が急増。
私は病気の原因を「おかずの食べ過ぎ」という実に単純な理屈で考えるようになりました。すなわち、タンパク質や脂肪や乳製品の摂り過ぎで病気になるのだと。「アミノ酸の過剰摂取が臓器を固くし、カルシウムの過剰摂取が腫瘍を作る」のだと。がんを漢字で書けば「癌」。硬い固まりが連なるという意味ですもんね。
「タンパク質とカルシウムの摂取を控えれば、病気は治る」というのが、私の考え。
炭水化物は体内でブドウ糖に変わり、血管を通って全身に送られ、エネルギーとなるのです。余ったブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、必要に応じて再びブドウ糖に戻るのです。ガソリンの切れたクルマが動かなくなるように、人間も糖質が不足したら動けなくなります。
そうそう、日本人の病人食はお粥さんと梅干しです。これまたほとんど炭水化物!お粥を作る時は塩をおいしくなるまで入れるのかコツ。糖質と塩とクエン酸で病気は治る。これが日本人の知恵でした。糖質を悪く言うのは、もう止めにしませんか。
実は私、すでに12年間、おかずを減らして、炭水化物をどんどん食べる生活を続けているのです。おかげさまで、全然太りません。
ご飯うどんにフランスパン、イモにお粥に根菜類、ラーメン素麺スパゲティ、お好み焼きそばモダン焼き、ビール日本酒ウィスキー、カロリー有りのコーラにサイダー、和菓子にハチミツ果物全般・・・。炭水化物をどんどん摂って、あなたも元気にダイエット!