2010.08.16 「テーマは女性」
記念すべきブログ第1回は、今月22日の高槻現代劇場での公演のお知らせをします。
「桂米團治と粋な仲間たち」と銘が打たれたこの催し-、これは私が小米朝を名乗っていた時代から当劇場が続けてきて下さった企画です。
毎回、私が落語を二席披露させていただくのですが、同時に上方芸能の各界から次代を担う精鋭たちがお二人、ゲストとして登場されます。
これまでに、上方舞の山村若さんや、狂言の茂山あきらさん、歌舞伎役者の片岡愛之助さんなど、いずれ劣らぬ人気者の方々がご出演くださいました。
今回のテーマは「女性」。男なんだけど女以上に女らしい素振りを見せるお二人に登場いただきます。
まずは、上方舞から吉村古ゆうさん。彼は、今は亡き人間国宝・吉村雄輝さんの最後の愛弟子で、「舞姿が師匠にそっくり」との定評をお持ちです。当日は繊細な女心の情愛を描いた『小簾の戸』をご披露いただきます。
もう一人は、歌舞伎界から中村壱(かず)太郎さん。中村翫雀さんのご長男-ということは、ご存じ人間国宝・坂田藤十郎さんのお孫さんでもあるわけです。今年三月の京都南座での『曽根崎心中』で、藤十郎丈の当たり役だったお初を演じ、その初々しさ・可憐さが評判を呼びました。当日は、普段は見せぬ役者の素顔をご覧いただきます。古ゆう・壱太郎・米團治の鼎談(三人の座談)が見ものの一つです。
もちろん私も「女」を演じます。『稽古屋』と『三枚起請』の二席で違うタイプの女を描きます。殊に、『三枚起請』は遊郭の世界。今、女心を研究すべく、廓を探し回っている最中です。
ほかでは、まず観られない顔合わせのこの公演を是非ともお見逃しなく!
そうそう、このブログというのは全世界に流れてるんでしたね。高槻って関西人以外は知らんよね。あのね、高槻市とは大阪と京都のちょうど中間に位置する都市なんです。歴史的には戦国時代、織田信長や豊臣秀吉に仕えたキリシタン大名の高山右近が治めていたんですよ。その宣教師追放令のため、藩主は次々と替ったんですが、立派な城下町として栄えてきたんです。劇場周辺の街並みにふと、そんな面影が感じられるええとこです。よろしゅうおたのもうします!