2010.11.05 「退院後」

久しぶりのブログとなりました。 退院後、落語会が続いたことと、入院中お世話になった方への挨拶回りなどもあり、更新が遅れてしまいましたと、まず言い訳を致しまして──、ざっと落語会の様子を記します。

まずは退院後、初めての仕事が京都でありました。京都府立文化芸術会館での京都ミューズ主催の独演会。どうなるか不安でしたが、温かいお客様の笑顔と拍手に迎えられ、『桃太郎』『くしゃみ講釈』『景清』の三席を無事に勤め終えることができました(^-^)v 当然まだ正座はできないので、掘りごたつ風の高座を作っていただき、幕が上がると板付きでの登場となります。リハーサルの時、「舞台袖から歩くぐらい歩けるで」と言うと、「舞台上で掘り込みに入る姿は不細工だし、第一危ないです!」との吉川マネージャーの教育的指導を受け、お客さんの前では一歩も動かぬスタイルとなりました。数年前、米朝が骨折した時にこんな形で出てたなぁ…こんなとこだけ似なくてもええのに・・・と思いつつ、本番開始。でも、瓢箪から駒で、新しい発見がありました。一席終わって、下げ囃子がなってもそのまま。見台の下にから湯飲みを取り出し、お茶をすすりながらお客と雑談。なんだか妙に落ち着いた風格を出すことができました。オーバーアクションは出来ないので、無駄な演技を削ぎ落としてもらえるようで、こうなったのも必然なのかなと思えるまでに至りました。

でも、スタッフのご苦労は大変だったと思います。各種落語会の主催者、舞台係の皆さん、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

多くの方々のご協力を頂き、朝日新聞阪神工場での落語会~吹田メイシアターでのシンポジウム~関西学院同窓会大阪南支部での講演~大阪新音主催の独演会~~三遊亭円楽プロデュース「博多天神落語まつり」~兵庫県芸術文化センターでの「桂塩鯛襲名披露公演」~大阪千日前トリイホールでのTORII寄席~名古屋・南山大学学園祭での落語会と、矢継ぎ早に舞台が続きました。

メイシアターでは、金森重裕さんのコーディネートのもと、演出家の平田オリザさん、指揮者の藤岡幸夫さんとこれからの舞台芸術に対して熱く論じ合いました。大阪新音の独演会では、私の子供二人が、ゲストに迎えた漫談のナオユキさんの高座にすっかり魅了されました。博多天神落語まつりでは、いつものように円楽お兄様の心尽くしのもてなしを受けました。ただ、都久志会館での一席は、舞台袖で山崎方正こと、月亭方正君が神妙な顔付きで私の高座を見てたので、「よし、頑張ろう」と気合いを入れて『くしゃみ講釈』をしたら、空回りしてしまいました・・・ あぁ、恥ずかしい。方正君へ、これが私の実力です(^o^ゞ 南山大学では、退院後初めて正座をしました。とは言え、体重が足にかからないよう尻当てをしての正座ですが…。いま一度『くしゃみ』をしたら、今度はよく受けました。方正へ、これが私の底力です。