2010.11.08 「ウィーンフィル鑑賞」
南山大学での公演の後は、東京に入りました。翌日、サントリーホールでのコンサートに招待されていたからです。毎年日本にウィーンフィルを一週間ほど招聘して、全国各地で公演を行なう催しがあり、その中の一日を大和ハウスが買い切ったのです。その名も「大和ハウス工業55周年記念 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団特別公演」。私、今年の6月に関西スポンサー協会で講演をさせていただいたご縁でご招待いただきました。私の席の周りには、中村吉右衛門丈ご夫妻、司葉子さん、役所広司さん、大竹しのぶさんほか、沢山の芸能界のお歴々がおられました。その中に交じって、私もちょこんと着座。言葉を交わすことができたのはドラマでご一緒した岸谷五朗さんぐらい。きらびやかな雰囲気の中、世界最高峰のオーケストラの登場を待ちました。
実は、新聞報道でもありましたが、前日にコントラバス奏者の一人が富士山登山中に滑落死したのです。日本滞在中の貴重な休日を楽しんでおられた時の不慮の事故。冒頭でバッハの『G線上のアリア』が献奏されました。そう言えば、先日は大阪センチュリー交響楽団の主席コントラバス奏者、奥田一夫さんが休日の行楽地で事故死をしたばかり。同じようなことが続くなぁと思いながら黙祷した後、いよいよ本番。
音が鳴った瞬間、ウィーンフィルの一糸乱れぬハーモニーに息を飲みました。特筆すべきは若冠32歳の指揮者、アンドリス・ネルソンズ。音楽のリズムや雰囲気を体現化するような指揮ぶりなのです。それでいて決してオーバーアクションにはならない。どの曲もその真髄を捉えた解釈がなされています。私はどんどん引き込まれました。
圧巻はドボルザークの交響曲第9番『新世界より』。とても丁寧な演奏(特に第2楽章と第4楽章)にどんどん魅せられ、最後は会場が感動の拍手に包まれました! おそらく、私の左足の菌も喜んでいたことでしょう。元気を取り戻すことができた演奏会に感謝☆☆☆