2010.11.28 「濃い一門会」
退院後、お蔭さまで連日東奔西走しています。 今日はとても濃い一日でした。 岡山市民会館での米朝一門会。 メンバーは出番順にしん吉、宗助、米團治、可朝、(中入)、南光、ざこば。 濃ゆいでしょ♂ ざこばさん以上に濃いキャラの月亭可朝さんの来演に会場はもとより、楽屋も躁状態が続いていました。 ちなみに、月亭も米朝一門です。 なんと可朝さんは以前、「桂小米朝」だったのです。 私より前に「小米朝」が存在し、その当事者が可朝さんだったというのは驚きでしょ。 実は、私が米朝の長男として生まれ落ちた頃、先代林家染丸師匠の弟子だった可朝さん(当時の名前は「林家染奴」)が米朝の付き人になり、「桂小米朝」を名乗るようになったのです。 (このへんの経緯は、拙著『子米朝』(ポプラ社刊)をご覧あれ)。 やがて、独特の芸風であることから、米朝の勧めもあり、絶えてしまった上方の大きな亭号である月亭を復活させるべく、「月亭可朝」と改名されました。 いずれにせよ、可朝さんが米朝一門の筆頭弟子なのです。 だから「米朝」を継ぐ一番近い存在でもあるわけです。
その可朝師匠、岡山の一門会では初登場ということもあり、マクラから大いに盛り上がりました。 そして『野ざらし』を小気味良いテンポで語り、高座から降りて来られました。 その後、楽屋で『野ざらし』に出てくるお座敷唄「さいさい節」の原点の旋律を教えて下さいました。
休憩後、ざこば・南光のお二人も、スイッチが入ったのでしょう、『小言幸兵衛(南光)』『らくだ(ざこば)』を熱演されました。 (ちなみに私は『つる』を軽く口演)。
濃い一門会が終わり、皆で新大阪駅まで戻った後、私は宝塚ホテルへ向かいました。 いえいえ、仕事ではありません。 ディナーショーを観るためです。 元タカラジェンヌのトップ娘役、こだま愛さんの歌声を聴くために──。