2010.12.14 「ゴスペル落語にゲスト出演」

今、繁昌亭の楽屋でこれを書いています。 今日の夜席「桂三金のゴスペル落語」にゲストで呼ばれたのです。 三金くんは三枝会長の9番目のお弟子さんです。 彼が「私はゴスペル落語をするので、できたらお兄さんはクラシック入りの『掛取り』をして下さい」と言うので、それをするつもりで楽屋に入ると、もぎり(入口)から「殆んど日本語の分からない韓国人の24人の団体が当日券で入りました」との知らせ。 「えぇっ? ゴスペルは音楽やからええけど、俺はどうしよう」と迷いました。 韓国語はアンニョンハセヨと、カムサハムニダぐらいしか知りません。 いや、別に普通に落語をすればよいのですが、私は当惑するであろう24人を放(ホ)っとく訳には行かない性格なのです。 何とか少しだけでも韓国の人に楽しんでいただこうと、急遽、笑福亭銀瓶くんに電話しました。 韓国語の得意な銀瓶に付け焼き刃で教えてもらおうと…。 「はい、お兄さん、銀瓶です」と彼は電話に出てくれた! 「銀瓶、忙しいところ、ごめん。 韓国語で“いらっしゃいませ。 私は桂米團治です。 よろしくお願いします”て、どない言うか教えてくれ」 「一体、何ですねん」。 実はこうこうこういう訳でと、事情を説明し、電話で韓国語を聞いてそれをカタカナで紙に書き、必死で覚えました。 自分の出番まで約40分。

今年の5月にスコットランドのエディンバラで英語落語をした時以来の緊張が走る中、高座に上がりました。 第一声、「オソオセヨ。 チョヌン カツラヨネダンジ ラゴヘヨ。 チャルプタカンミダ」と言うと、24人の韓国人席から凄い拍手と歓声が湧き起こりました。 もう嬉しくて、仕方がなかったです。 でも、日本人の(いわゆる普通の)お客さんが当惑気味。 慌てて日本語で説明し直して、続けて今度は「クンデ チョヌン ハングゴ モッラヨ。 チェソン ハンミダ(でも、私は韓国語が解りません。ごめんなさい)」と言うと、再び拍手の嵐。 韓国のお客さんからエネルギーを頂きました。 後は純和風に落語を演じましたよ。 銀瓶ありがとう。

三金の「ゴスペル落語」も非常に盛り上がり、後半の女声合唱「SCOR」の『ホワイトクリスマス』には私、なぜか突然飛び入りし、合唱に加わりました。 私は楽しかったけど、ご来場の皆さんにはどう映ったでしょうかf(^_^;

いずれにせよ、繁昌亭初の「桂三金のゴスペル落語」が成功裡に終わり、今日も遅くまで酒宴が続きました。

  
三金くんと楽屋にて                  女声アンサンブル「Scor」の皆さんと