2010.12.19 「芦原温泉で二人落語会」
福井県の芦原(アワラ)温泉で「桂米團治・桂すずめ二人落語会」が開かれました。 会場はあの石原裕次郎さんが通い続けていたことで知られる老舗の旅館「べにや」です。
桂すずめさんは、言わずと知れた女優の三林京子さん。 米朝一門の噺家になられたのが、もう10年以上も前のこと。 以来、三林さんは米朝一門の末弟のお姉さんとなりました。 噺家としては後輩でも、役者としては大先輩。 色々と学ばせていただいております。
そのお姉さんとの初めての二人会が「べにや」で開かれたのです。 一同にお客さんは落語会にフラッと来られた地元の方、「べにや」の昼食を召し上がってから落語会に入られた方、或いは宿泊を兼ねて遠方から来られた方など、さまざまなお客さんが一堂に会しました。
落語会の途中に対談の時間を設けたのですが、ここで三林さんの女優への道の話を聞き、彼女の人となりを知ることができ、とても楽しかったです。 役者が落語をすることの難しさを語られた後、『禍は下(シモ)』という粋なネタをされたので、私は落語家が芝居をすることの難しさを説いて、芝居噺の『蔵丁稚』を演じました。
『金明竹』しん吉
『かわり目』米團治
「対談」米團治・すずめ
〈中入〉
『禍は下』すずめ
『蔵丁稚』米團治
終演後は、すずめさんのお客様の宴席におじゃまして、賑やかなひとときを過ごしました。 女性ばかり6人の宴席。 年齢が91歳・84歳・84歳…というハイクラスな一座です。 でも、皆さんとてもお元気で、びっくりしました。 実は、落語会の最中に、私が「私の父より年上の方おられますか?」と訊いたら、87歳のご婦人が手を挙げられ、皆が拍手したのでした。 91歳の方はその時遠慮して手を挙げなかったのだとか。 高齢パワーに元気をいただいた一夜となりました。 料理も美味しくいただき、特に越前カニは新鮮で美味でした。 温泉もとても気持ち良く、リフレッシュして日付をまたぎました。