2012.01.11 「どうなる…帆船「あこがれ」」

毎日新聞の記事で知ったんですが、日本に3隻しかない大型帆船の一つ「あこがれ」が存続の危機に立たされているんだそうです。この船は、1983年に大阪で開かれた「世界帆船まつり」の成功により、大阪市が14億円かけて造ったもの。思い立ったのはバブルに浮かれ出した頃ですが、完成したのはバブル崩壊後のことでした。近年は利用者も減ってきており、運営・維持に年間約2億円かかるその殆んどを税金で補うのはいかがなものか…と新・大阪市長の橋下徹氏が発言。今後の動向が注目されているのです。


年間2億円…、財政逼迫の大阪市にとっては帆船を手放すのは仕方のないところかもしれません。ただ、この「あこがれ」はとても素敵な船なんですよ。以前、体験乗船させてもらった時、とても感動したことを今もつぶさに覚えています。海の男よろしく、縦横に張り巡らされたロープを伝ってマストの上まで登って行くのです。命綱無しに…。上のほうに行くにつれて、股間がスースーしてきます。「両手両足、合計4ヶ所のうちの3ヶ所がロープに接していたら、絶対に落ちません。大丈夫!」という教官の声が下から、そして上からも聞こえてきます。頂上に辿り着いた時は、涙がこぼれました。そして、甲板を見下ろし、満面の笑みで「やったあ~」と叫びました。


訊けば、小学生にも同じ体験をさせているんだとか。これを体験した子供はきっと他人(ヒト)を信じ、他人(ヒト)を敬う気持ちを持つ大人になるだろうなぁ…と思った次第。貴重な体験ができる帆船「あこがれ」ですが、管理・運営に莫大な費用がかかるため、存亡の危機に晒されているというわけです。民間に売り飛ばそうにも買い手が付かないのが現状なんだとか…。壊すしか方法がないのかなぁ。


私はせっかく造った帆船をあっさり取り壊してしまうのは誠に忍びない気持ちになります。例えば「京セラドーム大阪」のようにネーミング・ライセンスの形にするとか、民間会社に資金援助をしてもらうとか…、大企業なら年間2億円ぐらいなら広告宣伝費用として存在するはず。最悪でも、どこかの企業に買い取っていただきたいなぁ。私にカネがあれば買うんですが…家のローンもまだまだ残っているもので(^o^ゞ いずれにせよ、大阪市が造った素晴らしい帆船! 職員の方々の営業活動に期待しています。


思えば、数年前までの大阪市の湾岸開発は、やりたい放題でした。贅沢におカネを使って行った結果、大阪市の財政状況は落ちるところまで落ちてしまいました。当然のごとく、責任者は顔を出さず…。新しく大阪市長に就任された橋下徹氏は大変でしょうが、財源捻出に向けて良き知恵を出されますよう、切に期待しています!


例えば赤字解消のための地下鉄・市バスの高齢者無料パスの見直し、すなわち有料化への方針変更は素晴らしい提言だと思います。平松邦夫前市長も提言されていたけれど、市議会の反対にあって撤回せざるを得なかった議題です。そのほか、役職付き職員の給与カットや人員削減などは橋本さんでなきゃできないこと。


上方落語『らくだ』の中で、紙屑屋が脳天の熊五郎に向かって「あんた、カネも無いのに他人(ヒト)の世話するんやさかい、凄いわ」と言う件(クダリ)がありますが、正にこれからの時代を生きるヒントになる台詞(セリフ)かもねf(^_^)