2011.03.14 「生きてゆくには糖質と塩」
13日(日)は富山から帰阪し、兵庫県の出石(イズシ)へ行きました。 出石そばで有名な風光明媚な城下町です。 天日鉾命(アメノヒボコノミコト)の伝説でも有名な所で、文化ホールの名前も 「ひぼこホール」 です。 ここで南光兄さんとの二人会がありました。
日を追うごとに震災の惨状が凄まじいことが分かってくるので、この日のお客さんの心理はやはりいつもとは違っていたようです。 出囃子が鳴って緞帳が上がり、前座の吉の丞が高座についた時、拍手が起こらなかったのです。 前座が出てお辞儀するだけで拍手をもらえるのが噺家のありがたいところだと、いつも言うてたんですが、この日は違いました。 いや、いつもは前座から大きな拍手をいただくんですよ。 以前ここに寄せてもらった時も、またこの近くの永楽館に行った時も万雷の拍手で迎えられました。 でも、この日は違った。 やはり、地震の影響だろうなと思いました。
私はその分、気合いを入れて高座に上がりました。 「世の中は大変なことが続いていますが、こんな時こそ元気を持つことが大事です。落語を聴くとエネルギーが備わるはずです。私はね…」 という感じで話し始めました。 南光兄さんもパワーアップで臨まれ、最後は大きな笑いの中で幕を下ろすことができました。
たまたま、妻の親戚が聴きに来てくれており、 「お客さん、喜んで帰ってはったよ」 と伝えてくれたので、ひと安心。 でも、この時期の落語家としての処し方は難しいなぁと改めて思いました。
復興には長い年月がかかるでしょうが、東北地方の被災地の方々の傷ついた心が少しずつでも和らぎますようお祈り申し上げます。
そして、今日も福島の原発のメルトダウンが何とか止まるよう、祈りを捧げます。
また、首都圏の皆様、これから流通が滞り、食糧難の時期が来るかも分かりませんが、糖質と塩があれば生きて行けます。 コーラ (ダイエットでないやつ) やサイダーと塩の確保をして下さいね。 できれば、あとはクエン酸。 阪神大震災の経験者より。