2011.04.12 「震災から1ヵ月」
関西は今、桜が満開です。 観光名所はもちろんのこと、近所の公園や通りすがりの桜でさえ、ホッと心が和みます。 でも今年は、次の瞬間、そこに被災地の映像が重なるのです。 桜が美しければ美しいほど、悲しさがこみ上げてきます。
震災から1ヶ月──。 被災地の傷、そして被災地の人達の心の傷はなかなか癒えそうにありません。 被害面積のあまりの大きさに、何から手をつけて行けばよいのか分からないというのが実情だと思います。 福島県知事がニュース番組で 「悔しい…悔しいです」 と繰り返し仰った言葉が重く心にのしかかりました。
地面が壊されて放射能汚染に苦しむさまは、ある種、原爆を落とされて街が廃墟と化した状態と同じこと。 昨日、父に 「昭和20年の敗戦から、取り敢えずの復興の兆しを感じるまでにどれくらいかかりましたか」 と尋ねたら、「そうやなぁ、取り敢えず…3年ぐらいはかかったなぁ」 との言葉が返ってきました。
こうなったら焦らず、ボチボチ行くしか方法がありません。 阪神大震災から1ヶ月経った時、私は神戸の港で立ち尽くしていたことを思い出しました。 岸壁がことごとく壊され、コンクリートの塊がそこらじゅうにゴロゴロと転がっている港に佇んで、「どうやって修復するねん…」 と途方に暮れていました。 でも、いつしかそれが蘇ったのです。 時間はかかるけど、国民すべてが私利私欲を捨てて、他人(ヒト)のために尽くす精神を取り戻した時、ようやく日本に真の再生が訪れるのではないでしょうか。
とは言え、農業・漁業補償、移住・避難にかかる費用、放射線被曝の治療費などを考えると、気の遠くなるようなおカネが必要です。 まず最初に私利私欲を捨てるべき人は、東電幹部や“天下り”で関連機関に入った人々、そしてそこの御用学者さん方でしょうが、これまでの言動では彼らにそれを期待するのはとても無理です。 自分の身の保安を一番に考えておられるようですので…。
結局は国民の税金で賄うしか方法はないようです。 こうなったら落ち込まず、前向きに行きましょう。 言いたいことはどんどん言いましょう。 例えば、東電の送電線を国に買い取らせ、東電以外の電力をどんどん送り込んでもらうとか。 それこそゴミ焼却による電力とか、家庭の太陽光発電の余剰電力とか、何でもあり。 一丸となるとは、こういうこと(^0_0^)
今回、誰の目にもわかる形で、原発の安全神話が崩れました。 これを機に、子孫に禍根を残さぬためにも、「本当の豊かさとは何か」 ということを皆が考えてはどうでしょうか。「原発があるから豊かな暮らしができるのか。それとも、国民が元気だから豊かな暮らしができるのか」。