2011.09.03 「現代ブライダル事情」
かつてはホテルの宴会場で行われるのが憧れであり定番だった結婚披露宴──。メンデルスゾーンの「結婚行進曲」で新郎新婦が入場。屏風を背に高砂のテーブルに座り、二人を挟むようにお仲人さん夫妻が着座します。司会は浜村淳さん、もしくは局アナの有名人。招待客は9~10人ずつの丸テーブルに座り、媒酌人・双方の主賓が祝辞を述べた後、ケーキカット、乾杯、そして食事と続きます。二回ほどのお色直しがあり、両親への花束贈呈と、新郎の父親の謝辞があり、めでたく御披楽喜(オヒラキ)。大安や友引の休日ともなると、一つのホテルで一日10組以上の披露宴が行われ、スタッフが時間調整に右往左往したものです。(私も20年前にこのパターンで浜村さんの司会により式を挙げました。今は無きホテルプラザで…f(^_^;)
ところが、今、この形式で結婚披露を行うカップルはうんと減ったとか…。すっかり中年…いや、壮年の仲間入りをした私は、最近の結婚披露宴事情に疎くなっていました。ただ、そう言えばこの頃、ホテルの宴会場で結婚披露宴の札をあまり見なくなったなぁと感じてはいました。
じゃあ、みんなどこで披露宴をしているのだろうと調べてみると、いわゆる街の結婚式場がうんと増えたことが判明。海を眺める風光明媚な所にあるチャペル&宴会場、ビジネス街のど真ん中に立つ迎賓館を思わせるような結婚披露宴会場など、その形態はさまざまです。
もちろん、ホテルでの結婚披露宴は便利だし、招待客もラクだろうし、利点は沢山あります。でも、多種多様な宴会場が増えてきた背景には「お仕着せの形式には乗りたくない」「独自の披露宴を作りたい」という新郎新婦の強い意識の表れがあるようです(予算の兼ね合いもありましょうが)。
そんな中、私はクーレ・クールというブライダルサロンに臨席して、その見事な演出に感動しました。実は、ここは大阪・天満橋のOMMビルに長年入っている中華料理店「東天紅」のブライダル部門なのです。一昨年、ここの衣裳を担当しておられるデザイナーの高山尚子(ヒサコ)さんにご協力いただき、千日前のトリイホールで「落語&ファッションショーの会」を開いたことから、ここの存在を知り、先日、披露宴に臨席した時、スタッフの心の籠ったもてなしに感銘を受けたというわけです。
ブライダルプランナーの一人、杉本奈美さんはクーレ・クールの特徴について、こうおっしゃいます。「最近の結婚式事情は、ブライダル情報誌などの影響により“ゲストを大切に”と謳いながらも、結局は新郎新婦の自己満足の式になっています。いわゆるショーのような結婚式。私どもクーレ・クールは、そうではなく、本来の結婚式の意味を追求し、お越し頂いたゲストの人たち全員が心から楽しめるパーティーを目指すべく、パーティー文化の発信地でもあるニューヨークからパーティーのプロを呼び、ノウハウを伝授してもらった組織なのです」と。
老若男女、全ての人が楽しめるパーティー作りが基本となっているニューヨークに比べて、日本はまだまだメインの人達しか楽しめていない場合が多いとか。参加者の心に深く刻まれる結婚披露宴──。皆さんも一度、奈美さんのパーティー作りを体感されてはいかがですか? 今月のフェアは11日(日)だとか。別に、その日でなくても、お気軽にご相談下さいとのこと。
ちなみに、クーレ・クールとはフランス語で「心と心=coeur et coeur」という意味だそうです。