2011.09.25 「中村勘三郎さん舞台復帰の公演に感激!」

今月の大阪は二ヶ所で歌舞伎公演が行われていました。東京の歌舞伎座が建て替えの工事中であるため、時間のある役者さんが増えたというのが本当のところでしょうが、理由がいかにせよ、大阪で同時期に二つの歌舞伎が掛かるというのは、歌舞伎フアンにとっては願ってもないことです。

 

とはいえ、落語会など自分の仕事に追われがちの私は、今月も見そびれてしまうかなぁと思っていたところ、昨日、落語で招かれた大阪府立天王寺高校同窓生による「喜寿の会」の会場(新阪急ホテル)で桂すずめ(三林京子)さんと一緒になり、彼女から「新歌舞伎座、良かったよ~ 一食抜いても観るべきや」と勧められ、「なるほど…すずめさんこそ一食抜いて観るべきやけどなぁ」と思いつつ、今日(25日)の昼の部に急遽行って来ました。

 

いやぁ、実に良かった! 『御摂勧進帳』『男女道成寺』『人情噺文七元結』、三本とも良かったです(^0_0^) 一本目はいわゆる成田屋の『勧進帳』とはまた違うもので、ハッシーこと橋之助さん扮する弁慶が、荒事ならではの味わいを存分に見せてくれ、二本目は勘太郎クン・七之助クンの見事な成長ぶりを目にすることができました。特に、鞠唄での勘太郎クンには息を呑みました。そして、三本目──。ご病気のため舞台を休んでおられた勘三郎さんの約一年ぶりの舞台復帰とあって、「どうなのかな」と少し心配していましたが、なんのなんの、そんな不安など吹っ飛んであまりある元気な姿で登場され、江戸落語が元ネタとなっている『文七元結』を満場のお客の笑いと涙を誘いながら好演。今回は映画監督の山田洋次さんの補綴ということもあり、随所に「寅さん」的な味わいがありました。最後のほうでの扇雀さん扮する女房お兼との丁々発止は、客席の笑いが止まらないほど盛り上がりました(^ー^)

 

元気を頂いて、劇場を後にしました。知人の話では、『双蝶々曲輪日記・引窓』『お祭り』『一本刀土俵入』の夜の部も良かったそうです。新歌舞伎座、新開場一周年記念の興行に相応しいプログラムだったと思います。これからも松竹座と新歌舞伎座、二つの芝居小屋がともにますます繁栄するよう、願っています☆☆☆ また、私が出演させていただく時は何とぞ宜しくお願いします。

 
上六(上本町六丁目)にお洒落にリニューアルした新歌舞伎座の外観。

 三階席のロビーにある創始者、松尾國三氏の胸像。