2012.11.13 「燃ゆる秋──奈良県の山あいを満喫、Part 2」

翌朝、午前9時半に旅館を出発(^0_0^)

 
清々しい洞川温泉郷の朝。


久保治旅館の皆さん、ありがとう!


さて、この日のメインテーマは川上村にある丹生川上神社上社(ニウ・カワカミジンジャ・カミシャ)への参拝です。


でも、その前に天川村の名所の一つ、五代松鍾乳洞を探索しようということになりました。で、クルマを走らせていると、「大峰山、第一の行場」という看板を発見。

 


明神愛ちゃんが「ここ気になる~、行きたい!」というので、急遽クルマを停めて中に入って行くと、そこには何と太古の昔、修験者の祖と言われている役小角(エンノオヅヌ)、いわゆる役の行者が修行していた窟(イワヤ)があったのです!


蟷螂(トウロウ)の窟と、蝙蝠(コウモリ)の窟という二つの洞窟。


そして、一般の人でも物見遊山でなければ、志納金300円を払って見学することができると書かれてありました。洞窟の傍の小屋に近づくと、小屋の中からは朝の行なのでしょう、経文を唱える雄々しい声が聞こえてきます。待つこと数分──。行を終え、小屋から出て来られたのは、とても柔和な若い男性でした。


我々が中を見学したい旨を述べると、快く応じて下さり、「中は真っ暗ですから」と懐中電灯まで貸して下さいました。


結界に入るための経文を唱えて下さり、いざ洞窟の中へ──。


特筆すべきは、洞窟なのに、ここだけ鍾乳洞としての進行が止まってしまったという事実。洞川(ドロガワ)という地名が表すように、この辺りの地質は石灰岩で覆われているので、洞窟なら当たり前に鍾乳洞になるのだけれど、役小角が念を込めたため、ここだけ石灰質の雫が垂れて来なくなったのだとか…。洞窟には、役小角が護摩を焚いた後まで残っていました。修験道の奥深さを目の当たりにした私は、ただただ息を飲みながら、二つの洞窟に感じ入った次第。

 


そこを流れる新宮川(天の川)の渓流も心地よく、ふと時空を超越した気になりました。


役小角の窟を守る若い修行僧の方に充分感謝の意を伝え、午前11時20分にようやく当初の予定だった五代松鍾乳洞に到着(^o^ゞ こちらはガラッと気分が変わり、観光コースの鍾乳洞を楽しみました(^0_0^)

 
6人乗りのトロッコ・ケーブルで山林を登ります。


沢山の木霊が遊んでいそうな森。


鍾乳洞の幻想的な光景。


さて、いよいよ川上村へ移動するべく駐車場に行くと、一人のガタイの大きな男性が近づいてきて、「もうちょっと先に役の行者の母親がお詣りに来ていたというお堂がありますよ。女人禁制の大峰山ですが、女性の方もそこまでは行けますから、良かったらどうぞ」と、お声掛けして下さったので、早速その母公堂(ハハコドウ)とやらへクルマを走らせました。

 


すると、またそこでその男性が待っておられ、「実はこの湧き水がとても旨いんですよ」と勧めて下さいました(^q^)

 


そして、「この先に、いよいよここからは女性は入れないという結界の門があるから、是非ご覧を」と、今度はご自分のクルマを先に走らせ、案内して下さいました。

 


訊けば、なんと修験者のお一人だったのです。山伏の格好をして、これまでに百回以上も大峰山に登っておられるのだとか…!


昨日から今日にかけて、行く先々で出会うべき人に出会うなぁと、我ながら感心した次第f(^_^)

 


昼食はその方のお薦めの「ごろごろ亭」の前鬼うどんを食べ、今度こそ別れを告げて、一路、川上村へと向かいます。天川村から川上村は隣接しているんだけれど、大峰山系があるため、下市町まで戻って、吉野町経由で行かねばなりません。実は、少しショートカットできる抜け道もあるのですが、昨年の洪水の影響がまだ残っており、今なお通れない区間があるのです。通れる道でさえ、補修工事をしている光景が随所に垣間見られました。工事関係の皆様、ご苦労様ですm(__)m


一日も早い復旧・復興を祈りながら、1時間半に及ぶ運転でようやく川上村に到着。まずは蜻蛉(セイレイ)の滝を観に行きました。

 


わぁ~気持ちいい! いつまでもここに佇んでいたい気持ちになりました(^0_0^)


そして、いよいよ丹生川上神社上社に到着。ご祭神は高龍神(タカオカミ)。山の中腹に建てられたお社からの眺めは実に広大です。吉野川の対岸に位置する白屋岳の山並みは実に美しい!

 


緑色の龍神さんが舞っている…とは、明神さんの弁。「僕には見えない。嗚呼、見たいなぁ」と言うと、「見るものではなく、感じるもの」なのだとか…。私は、ふとブータンのワンチェク国王の「自分の心の龍を育てましょう」という言葉を思い出しました。


今回、山で出逢った男性は皆とても純粋な人達だったな。よし、僕もこれからは龍を感じるべく、もっと純粋な精神を養おう!

 
大丈夫か?