2012.12.10 「小沢昭一さん、逝去」

 

10日(月)は、大阪・西成の動楽亭昼席の出番でした。今日はお客様は少なめでしたが、陽気な方が多かったため、いい雰囲気で進みました(^ー^)

 

『つる』團治郎

『粗忽の釘』雀太

『権助魚』雀喜

『鹿政談』米團治

   〈中入〉

『宿替え』米輔

『貧乏神』南天

 

寒い中、ご来場ありがとうございました(^人^)

 

ところで、今朝(10日)、小沢昭一さんの訃報が入りました。

 

俳優であり、長年ラジオのパーソナリティーも務めて来られた小沢昭一さんは、ウチの親父(米朝)と大変親しい間柄でした。俳句のサークル「東京やなぎ句会」の同人であるばかりでなく、二人はともに正岡容(イルル)門下でありました。演芸評論家であり、作家でもある正岡先生の薫陶を受けた二人は、宴席に居並ぶと必ず正岡容作の『天保水滸伝』や『灰神楽三太郎』を唸り合っていたものです。

 

今年の夏、米朝の米寿記念の落語会が大阪のサンケイホールブリーゼで開かれた時、最終日に「東京やなぎ句会」の方々による“米朝を囲む座談会”が組み込まれたんですが、そこへ小沢昭一さんもお越しになり、楽しくお喋りして下さいました。

 
米朝浴衣を来た「東京やなぎ句会」の6人+司会の市川寿憲氏。

 

実は、その時すでに体調はお悪かったのですが、座談の途中で正岡先生の話題になった時、突然、小沢昭一さんが大声で「毎度皆様お馴染みの、あの次郎長にも子分がいるが、強いのばっかり揃っちゃいない、中にゃとぼけた奴もあ~るぅ~」と、『灰神楽三太郎』の冒頭を唸り出し、会場を大いに湧かしたのです。

 

これにはビックリ! 芸人魂を感じました。でも、それが最後の舞台となろうとは…。

 

いつも、柔和な笑顔で気さくに話しかけて下さった小沢昭一さん! いろいろとご教示下さり、ありがとうございました☆☆☆心よりご冥福をお祈りいたします。