2013.02.06 《市川團十郎丈、逝去》
3日(日)夜、歌舞伎界の大きな星がまた一つ、あの世に旅立たれました…。舞台ではいつも大きなオーラを発しておられ、楽屋でもいつも穏やかであり続けられた十二代目市川團十郎丈──。
成田屋の看板を背負って立ち、常に歌舞伎界全体のことを考えて来られた方だと思います。そのお姿には見習うべきところが沢山ございました。
私が初めて團十郎丈とお話しをしたのは、私がまだ大学に通いながら噺家の修業を始めた21歳の時でした。「関西で歌舞伎を育てる会」の世話をされていた麻埜四郎さんの計らいで、大阪・道頓堀の中座6月公演の楽屋におじゃまし、インタビューをさせていただいたのです。昭和55年、まだ海老蔵時代──。
理屈は捏ねるが、まだまだ何も解らぬ若僧であった私の質問に対し、一つ一つ丁寧に答えて下さったお姿が今もなお忘れられません。以来、私は團十郎さんの舞台を観るたびに小躍りし、意気揚々とした気分で帰途に就いたものです。いつも全身から大きなエネルギーを発しておられるような方でした。
誰にでも優しい眼差しで接して下さった團十郎さん。諡号(シゴウ)は瑞垣珠照彦命(ミズガキタマテルヒコノミコト)──。これからは大宇宙から歌舞伎をはじめとする芸能界全体に大きな愛を注ぎ続けて下さいませ☆☆☆
心よりご冥福をお祈り申し上げます。