2013.03.13 《TPPにはISDS特約が付いている》
自民党のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)対策委員会は、今夜(13日)の総会で意見を取りまとめるのだそうです。「決議」採択への道は、さぞや大変なことでしょうね。
私は全然面識もございませんが、TPP対策委員会の委員長を勤める御年70歳の西川公也氏のご苦労は大変なものだと思います。栃木県出身だそうですが、紛糾した時は、ご自身のお名前を大阪弁で「俺の考えはこうや。俺の名前もこうや!」と叫んでみて下さい。スッとしますよ(^o^ゞ
たとえ、TPP参加への慎重論が「決議」の大半を占めたとしても、首相が「無条件参加」を表明すれば、それまで…。最終決定権は首相に委ねられているんですね。逆に言えば、TPP参加に反対する人は首相になれない。それがこの国のかたちなのかもしれません。
9日付の産経新聞にも掲載されていたように、西川公也委員長が「TPP参加には慎重な姿勢を取るべきだ」と主張している理由は、現時点での参加にはISDS特約条項を受け入れなければならないことにあるんだとか。
そう言えば、われわれ日本人って、この特約条項に弱いですね。掛け金が安いからと、その保険に入ったところ、後になって〇〇特約があるからと、おカネが下りなかったことって、ママありますよね。
今回のISDSも、ボ~ッと聞いてると、何のことだか分からずじまいになりそう。けっして光通信のことではありません。
Investor=投資家、State=国家、Dispute=紛争、Settlement=解決、すなわち「投資家対国家の紛争解決」と言うんだそうです。貿易で不公平を感じたり、諮意的な不利益を被った時に、一投資家が相手国を訴えることができる条項なのだとか…。お互いに主張できる権利だとは言いながら、トヨタ・プリウスがアメリカの一消費者に不当な言いがかりをつけられ、大きな損害を被ったことなどを顧みるに、訴訟大国のアメリカに押し切られるのは、火を見るより明らかf(^^;
日本長期信用銀行がリップルウッド社に売却された時も、大損をしましたね。これは小泉純一郎氏から任命された竹中平蔵氏が内閣府特命担当大臣として経済政策や金融を担当されていた21世紀初頭の話でしたっけ。
日本長期信用銀行の抱える債権が不良化した場合、向こう3年間、それらすべてを日本政府が買い上げるという“瑕疵担保特約”条項が入っていたのです。そして、日本政府がそれに費やしたおカネは何と8兆円。8兆円もの税金が一銀行の不良債権処理に投入され、身軽になった物件をリップルウッド社は僅か10億円で購入し、新生銀行を立ち上げたのです。
ここでクイズ──。われわれの生活ではあり得ないことですが、これからおカネを毎日1000万円ずつ使うとして、8兆円使い切るにはどのくらいの歳月がかかるでしょうか? 考えてみて下さい。
なかなか毎日1000万は使えませんよ。家を買っても、クルマを買っても、数日で払い終えてしまいます。さぁ、どれぐらいでしょう。
想像つかない人のために、“4択”にしましょう。
①…2年
②…20年
③…200年
④…2000年
正解は、
④です。
もっと詳しく言うと、2190年。(嘘だと思ったら、紙に書いて計算してみて下さい。ちなみに、電卓では桁数が足りません)。
逆に言うと、弥生時代から毎日1000万円ずつ使ってきた人が、今日、ようやく使い切る金額なのです。
そんなおカネが日常的に飛び交うようになったら、われわれはどうしたらよいのでしょう…。まぁ、私は相変わらず落語を喋り続けているでしょうが(^o^ゞ
いずれにせよ、魂までは奪われたくないですね。
がんばれ、ニッポンq(^-^q)