2014.04.06 《井上道義さんが大フィルの首席指揮者に就任♪》
井上道義さんが大阪フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任されました(^0_0^)
道義さんとは、旧知の仲。初めて出会ったのは、1990年の夏、道義さんが京都市交響楽団の常任指揮者として就任されたばかりの時に行われた桂川河川敷での野外コンサートでした。
当時、私はKBS京都のラジオ番組を持っていたこともあり、司会を仰せつかりました。まぁ、いろんなことがあった一日でしたが、その時以来、年齢も身長も私より一回り上の道義さんと親しくお話しをさせていただくようになりました。
ストラビンスキーの『兵士の物語』や、シェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』など、珍しい作品にも出演する機会を作って下さり、私はどんどんクラシックの世界のことを知るようになって行ったのです。
数年前から道義さんはオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督を勤められ、金沢の駅前がとても面白くなってきたのはご承知の通り。
そのマエストロがこの度、大フィルにやってきたのです!
4日(金)と5日(土)、道義さんの大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者の就任を祝う演奏会が、大阪・中之島のフェスティバルホールでありました(^ー^)
道義さんから「4日の終演後にパーティを開くから、よかったら来て」との電話。「4日は仕事です。5日なら伺えるのですが…」と申していたところ、4日の仕事が急遽日程変更となり、「4日、空きました」と言うと、「じゃあ、友人代表でスピーチして」との依頼。
我々はかつて伊豆の崖をワイヤーを使って登ったこともある間柄。光栄の至りです☆
私は、フェスティバルホールでの演奏会に二日続けて伺うことになりました♪
いやぁ、二日続けて同じ演目を聴くのも面白いですね♪ 同じ曲でも両日で雰囲気が違うし、作品もオーケストラも劇場も身近なものになります。同じ宿屋に連泊する感覚に似ています。
私も秋の大阪新音主催の独演会で二日続けて同じ演目を出していますが、観客として足を運んだのはこれが初めて。連続独演会をする時の参考にもなりました。
さて、その演奏曲目ですが、前半がチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」。ヴァイオリン独奏は神尾真由子さん。
彼女は11歳の時にユーディ・メニューイン国際コンクール(ジュニア部門)で優勝した天才少女。最年少者の受賞ということで、一躍クラシック界の注目の的となり、どんどん才能を発揮。2007年にはチャイコフスキー国際コンクールで見事優勝。諏訪内晶子さんに次いで、日本人二人目の栄冠に輝いたのです。
彼女がまだ小学生の時、私はラジオ番組で話をしたことがありましたが、その時すでに“天才”の片鱗を感じさせられました。
今回の舞台でも、彼女はとても冷静で、しかも堂々としていて…フィギュアスケートに例えると、荒川静香さんのような雰囲気(^0_0^)
特に、二日目の演奏にはしびれました。甘く深い音で、緩急自在な表現力! まさに“金メダリスト”の貫禄。師匠の小栗まち絵さんも絶賛されていらっしゃいました(^o^)/
さて、後半はマエストロ渾身の一曲、ショスタコーヴィチの交響曲です。なんと、有名な五番ではなく、四番でした。
私は四番を聴くのは初めて♪
マエストロがパーティでおっしゃっていたように、「五番以降の作品は、ロシア革命の後の粛清により、ショスタコーヴィチがソビエト連邦政府に迎合して書いたものばかり。四番こそ彼自身の純粋な思いが最高に凝縮された曲」なんだそうです。
何しろ道義さんは、2007年に日比谷公会堂でショスタコーヴィッチの交響曲全15曲の演奏を成し遂げた人。この日はショスタコーヴィッチの魂に浸りました♪
大編成のオケによる心の葛藤の具現化──。これほど大きな音が出るシンフォニーって、ほかにあっただろうか…。約1時間の「交響曲第4番」に酔いしれました。両日ともに良かったけれど、どちらかを挙げるとするなら、私は初日かな(^ー^)
聴き比べができるって、贅沢なことですね♪
ところで、フェスティバルホールのエントランスの階段に、等身大の道義さんが足を投げ出して座っている写真が置かれてあり、お客さんの注目を集めていました。
遊び心満載の演出──。道義さんは、大フィルというより、大フィルのお客さんを、より楽しい方向に変えようとしておられるようです。
かつて朝比奈隆さんによりブルックナーを知ることになった大阪人が、今度は井上道義さんによってショスタコーヴィッチを知るようになるのかもしれません。
ある種、閉塞感の漂う大阪の街までも、もっと魅力あるものに変えてくれるのではという期待感を抱かせてくれる井上道義さんの大フィル就任に、大きな拍手を送ります☆☆☆
こちらは、道義さん、真由子さん、そしてコンサートマスターの崔文洙さんはじめ、いろんな方と一献酌み交わしたパーティの1コマ。