2014.04.22 《「米朝落語全集」、第6巻が発売》
昨年11月から刊行が始まった「米朝落語全集」増補・改訂版──、このほど第6巻が発売されました。
全8巻のうち、6巻まで出版されたということは、4分の3が完成したことになります。
かつて米朝が「大阪の出版社から出せるのが嬉しい」と、大阪・淡路町にある創元社から「米朝落語全集」全7巻を出版したのが、昭和55年のこと。
今回、33年ぶりに「米朝落語全集」の増補・改訂版が出されることになった理由は、一つには米朝が米寿を迎えたということ。そしてもう一つは、旧版には掲載されていなかった自筆原稿や論文や日記など、米朝に纏わる資料が多数出てきたことです。
「それなら、いっそ落語の速記部分(本編)も洗い直して、米朝落語の定本化を目指そう」ということになりました。
というのも、旧版では、ある日ある時に収録した米朝の口演を殆んどそのまま活字にしたので、その日たまたま抜けていた部分がそのまま抜けていたり、普段は言わない台詞が入っていたり、一部台詞の順番が前後したりしていました。そこで今回、「本来の米朝型はこれだというものを作ろう」と、定本化に向けて動き出したという次第。
落語の本数も大幅に増えたため、全8巻での増補・改訂版と相成りました。
ところが、米朝は高齢でもあり細かい作業には掛かり切れないため、及ばずながら私も含め、弟子数名で校閲に取り組んでいるのですが…、これが大変なのです。
「これぞ本来の米朝落語だ」という思いには、多分に主観が入ります。そのため、私と同じように寸暇を割いて校閲作業に取り組んでおられる米二兄さんと、毎回かなりのバトルが繰り広げられています(^o^ゞ 昨年からヘトヘトになりながらも、結構楽しんで従事しておりますf(^_^;
いずれにせよ、いい勉強になっているのは確か☆☆☆
創元社の編集委員のご苦労たるや、毎日、頭の下がる思いです(^人^)
旧版と大きく変わったのは、落語の演目を五十音順に並べ替えたこと! これは多くの方から好評をいただいております(^人^)
ちなみに、第6巻では冒頭に「中入」という項目が付いています。そして、そこには“中入”についての著者の考察が記してあります。「寄席では、興行が全体の4分の3ほど進んだところで、中入という休憩を取ります。この本も丁度ここらで中入ですな」てな具合に…。
「米朝落語全集」増補・改訂版は完結までもう少し! がんばりますので、応援よろしくお願いしますm(__)m