2014.04.25 《文楽4月公演を堪能》

 

23日(水)、大阪・日本橋の国立文楽劇場で文楽4月公演を鑑賞しました。

 

 

今月は『菅原伝授手習鑑』の通し上演なのですが、なんと言っても竹本住大夫さんが本公演と来月の東京公演限りで現役を引退されるとあって、住大夫さんが出られる第2部(夜の部)はすでにチケット完売状態。

 

こんなに混んでいる文楽劇場を観たのは初めてかも(^o^ゞ

 

夜の部は、三段目の「車曳の段」から始まりました。

 

三味線は、いきなり鶴澤清治さん!

 

大夫・三味線・人形のすべての方々が、この興行を盛り上げようとしておられる様子がひしひしと伝わり、会場は熱気に包まれます。

 

そして迎えた「桜丸腹切の段」──。竹本住大夫さんの登場です☆

 

満場割れんばかりの拍手喝采! なかなか拍手が鳴り止みません。黒子の「トザイ、トーザイ」の声が出るまでに1分近くかかりました。

 

やがて、デデンデン…と、野澤錦糸さん奏でる三味線の中、しずしずと…しかし艶のあるお声で始まります。嗚呼、ええなぁ。今年90歳を迎えられる住大夫さんの語りにどんどん引き込まれていきました☆☆

 

と同時に、舞台に目をやれば、桜丸を遣(ツカ)っているのが吉田簑助さん。女房八重が吉田文雀さん。文雀さんはまもなく86歳におなりです。住大夫さんと4つしか違いません。

 

三人の人間国宝の競演を観ることができ、とても幸せな気分になりました(^0_0^)

 

この日、大夫さんは若手も含めて皆、大熱演! 

 

特筆すべきは、夜の部の最後、五段目「寺子屋の段」の切(キリ)を勤めた竹本嶋大夫さん。この方は82歳ながら、とても可愛らしく見えるのです。背が低く、床に座る時でさえ、お尻の下にカイモンを敷いても、横の三味線の豊澤富助さんより顔の位置が下に来るのです(^-^ゞ しかし、一旦、語り始めたら、どこにそのエネルギーが秘められているのかと思うほど、次から次へと力がみなぎり…私は大いなる感動を覚えました。

 

この日、技芸員の皆さんが一丸となって盛り立てている“竹本住大夫引退公演”を十二分に堪能しました。「大当たり!」

 

望むらくは、公演時間がもう少し短かったらなぁと…。昼の部が初段~二段目、夜の部が三段目~五段目に分かれているので、昼は(休憩を入れて)4時間ですが、夜は5時間に及びます。もちろん、普段はあまり上演されぬ場面も登場し、菅原道真公が雷神となる経緯なども分かって有難いのですが、やはり5時間はちょっと長いのでは…と思った次第。

 

でも、それを跳ね除けて余りある感動を得ることができました☆☆☆

 

色々と巷では言われていますが、文楽は次代への継承もしっかりなされており、私ももっと精進せなあかんぞと、自分自身に気合いを入れて帰途に就きました(^0_0^)

 

大阪公演は27日で終了し、来月は10日から演目を変えての東京公演が始まります。住大夫さんは「勧進帳」の段を勤められるとのこと。

 
どうか、おっしょさん、千穐楽までお身体ご自愛の上、至福の舞台をご提供下さい☆☆☆