2015.03.14 《天孫降臨の地~高千穂を求めて~》
天孫降臨の地、すなわち天照大神の孫神の邇邇藝命(ニニギノミコト=瓊々杵尊)が高天ヶ原から地上界の竺紫(チクシ)の日向(ヒムカ)の高千穂に降り立ったとされる場所はどこなのか、これは古代史に興味を持つ人たちが一様に抱える難問です。
最も有名な説は、宮崎県との境に位置する鹿児島県の霧島地方説。高千穂の峰の山頂には今も天の逆鉾が突き刺さっています。
それに待ったをかけるのが、福岡県糸島地方説。筑紫であるし、韓国(カラクニ)に近い。そして糸島市には日向(ヒナタ)峠があるとの主張。
いやいや、祝詞の言葉に「竺紫(チクシ)の日向(ヒムカ)の橘の小門(オド=小戸)の阿波岐原」とあるのだから、文言通り解釈すれば、宮崎市阿波岐原町に比定されるというのが江田神社説。
何を言う。阿波こそ国の始まり。イザナギ・イザナミが鳴門の泡を「オノゴロ」とかき混ぜて産まれた国が淡道之穂之狭別島(阿波への道の島)、すなわち淡路島。次にできたのが伊予之二名島、すなわち四国。つまりは阿波が根本なのだと気を吐くのが、徳島県阿南市の橘湾説。
いずれもとても興味深い主張です。
いろんな考察に耳を傾け、熟慮した上で、自分の説を発表しようと思っていますf(^_^;
還暦を迎えるまでにはなんとか纏めますので、もう3年ほどお待ちあれ!
その前に、今日は、やはり天孫降臨の候補地の一つである宮崎県西臼杵郡高千穂町をご紹介しましょう。
ここは、文献学の見地から言えば「天孫降臨の候補地」として納得できる材料に乏しいのですが、とにかく神社が沢山あって、祭りごとも多く、何より“氣”がいい! 温かい空気に満ちているのです(^ー^) 私は九州方面に仕事があると、その前後を利用して、つい高千穂町まで足を伸ばしてしまいます。温泉も豊富ですしね(^o^); つい先日も行ってきました。
まずは高千穂神社。
ご祭神は、まず高千穂皇神として瓊々杵尊・木花開耶姫命・彦火火出見尊・豊玉姫命・鵜葺草葺不合尊・玉依姫命の6柱と、神武天皇の兄である三毛入野命とその妻子9柱を含む十社大明神。たくさん祭られています。
地元の氏子さんにより奉祀されている「夜神楽」は今や観光客に大人気で、満員札止めとなる日も少なくないんだとか。
でも、なんと言っても観光の中心は──、
そこに降り注ぐ真名井の滝は神々しさに満ちています☆☆☆
そして──。
高千穂峡からクルマで10分ほどの所にあるのが、天岩戸神社(アマノイワトジンジャ)。
天安河原(アマノヤスカワラ)のある西本宮のご祭神が大日霎女尊(オオヒルメノミコト)、東本宮のご祭神が天照大御神(アマテラスオオミカミ)。
私は静かな東本宮が好きです。ただ、以前は綺麗に掃き清められていたのですが、最近はちょっと…。
今回、私は天鈿女命の顔の汚れを拭いてきました。
天岩戸神社からさらにクルマで15分ほど(体感的には30分ほど)走った所にあるのが、常光寺の滝──。
再び、高千穂町の中心へ──。
串觸神社(クシフルジンジャ=串の本字は木偏に患)は、神々が降臨した地と伝えられている所。
さて、西臼杵郡高千穂町の西隣にあるのが五ヶ瀬町。
ここには三ヶ所神社(サンガショジンジャ)があります。
ご祭神は伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冉尊(イザナミノミコト)。
本殿は総欅造りで、龍や海馬などさまざまな彫刻が施されています。
そもそも、ここは五ヶ瀬町と高千穂町の境に位置する二上山を霊場とする(九州には数少ない)山岳信仰の神社なのです。
二上山の山頂近くにある奥宮には、伊邪那岐尊、伊邪那美尊、瓊々杵尊、猿田彦尊が奉られています。
かなり険しい道を登らなければなりませんが、ここからは緑豊かな絶景が楽しめます\(^-^)/
五ヶ瀬川の支流である三ヶ所川にも美しい滝がありました。
うのこの滝──。滝の白さと滝壺のコバルトブルーのコントラストに、心安らぎます☆☆
都会からここまで来るにはかなりの時間を要しますが、とても穏やかな気持ちになれます。身近に神様を感じることのできる土地──それが高千穂☆☆☆