2015.04.15 《NHK‐FM特番「京都・音巡り」第2弾 【後編】》
今出川通を西から東へ歩く旅──。
さて、白峯神宮を出て、今出川通を東へ進み、烏丸通を越えた所にあるのが、かの有名な同志社大学。
今から140年前の1875(明治8)年、新島襄により同志社英学校が建てられて以来、この地で歴史を紡いでいる“老舗”の大学です。
キャンパスの中に一歩入っただけで、ゆったりとした気分になりました(^ー^)
国の重要文化財にも指定されている「クラーク記念館」「ハリス理化学館」「彰栄館」「同志社礼拝堂」など、煉瓦造りの洋館建てが整然と建ち並ぶさまは、まるでヨーロッパに来たかのよう☆
思わず、呟いた。「受験しよかな」と。
「クラーク記念館」の2階のチャペルに入ると、そこには410本のパイプを持つオルガンが備えてありました。
「どんな音が出るんやろ…聴きたいなぁ」と呟いたところ、たまたま事務所にオルガン奏者の川崎寿美さんがおられ、急遽、演奏して下さることになりました(^人^)
荘厳な中にも柔らかさのある音色に、そこに居合わせたスタッフ一同がうっとりしているところへ、またまた私が不躾に「あのぉ…父、み子、みたまの~っていう歌、歌ってもいいですか」と依頼(^^ゞ 「はい、いいですよ」と快く応じて下さり、私は彼女の演奏に合わせ、『頌栄 541番』を斉唱♪
これにはスタッフ一同、あいた口が塞がらなかったようです(゜o ゜);
今出川通を挟んで、北には同志社、南には京都御苑(御所)。ここは大阪人が最も羨ましがるポイントですね☆☆
さぁ、その通りを東へ東へ──。
鴨川に架かる橋の名前が「加茂大橋」。実は、今出川通よりも下流は「鴨川」という表記なのですが、ここから上流を見やると、川が二手に分かれています。
東側が高野川、西側が賀茂川。すなわち、二つの川が合流するのが今出川通付近なのです。
ちなみに、合流する三角洲の糺(タダス)の森にあるのが下鴨神社(賀茂御祖神社)。この辺りの地名は「下鴨」と表記されていますが、上流は「上鴨」とは書かずに「上賀茂」と記されます。神社名も上賀茂神社(賀茂別雷神社)。
今出川通を挟んで北と南で少し風情が変わるのも面白いですね。
そう言えば、冬になると、今出川通を境に景色が一変することがよくあります。今出川通より南では雨が降っていても、それより北へ上がった途端、雪になっていたりするのです。
それはさておき──。
賀茂大橋を渡り、東山通(東大路)と交差する所が、通称「百万遍」。
名前の由来は近くの知恩寺にありました。
鎌倉末期の1331年に疫病が流行った時、知恩寺の善阿上人が御所に籠って念仏を百万遍唱えたことから、後醍醐天皇によって「百万遍」という呼称が知恩寺に与えられ、交差点の通称にもなったのだとか。
百万遍の交差点をさらに東へ行くと、右手には天下の京都大学が見えてきます。この辺りは、さしずめ京都のカルチェラタンですね☆☆☆
左手にアンティークなパン屋さんを見つけました!
Cafe「進々堂」。1930(昭和5)年にパン屋として創業し、翌年には喫茶も始めたと言うから、今年で85周年となる老舗の喫茶店です。
現在は4代目のマスター。「表構えも内装も少しずつ補修はするけれど、ほぼオープン当時のまま」というアンティークな佇まいに、とても心が和みます。
そして何より、パンが美味しい!
いや、パン屋なのだから当たり前なんだけど…でも、パンが美味しい!
サンドイッチ、クロワッサン、フランスパンのバケットを、進々堂オリジナルのブレンドコーヒーとともに味わいました(^q^)
実は今回、ここへ来るまでに、もう一つ、京都銘菓を口にしていたのです。
河原町今出川を上がった西側にある「ふたば」の店先には、いつも豆餅を買いにくるお客が列を成しています。
この日も行列ができていたため、買うのを諦めていたところ、同行していた米朝事務所の粟津美乃理マネージャーが、自分の母親に電話して、ソッと豆餅を買ってきてもらっていたのです。彼女の実家は室町今出川。いやぁ、持つべきものは現場に詳しいマネージャー(^_^ゞ
塩と砂糖のバランスが絶妙な豆餅を口にし、元気倍増↑ さらに東へ進みます。
白川通と交差する辺りから、琵琶湖疎水分流としばらく平行して歩くことになります。
ここは桜の名所! 今年の開花時は雨が多かったけれど、ここはまだまだ見応えがあり、今を盛りと咲く花の前に立ち、しばし桜に酔いしれておりました(^ー^)
音声スタッフの安藤さんが「四弁の桜を見つけました。これを見つけたら、幸せになれるそうですよ」と教えてくれたので、必死になって探していると、弟子の慶治朗が「あっ、三弁の桜がありました」やて。「どこにそんな桜があるねん」と言いながら、ふと見たら──。
彼に幸せ来るやろかf(^ー^;
さて、今出川通を歩く旅も、いよいよ終わりに近づきます。
東の端にあるのは慈照寺。臨済宗相国寺派の禅寺で、亦の名を「銀閣寺」と言います。
そう、早い話が銀閣寺(^^ゞ
私は久しくここを訪れていませんでしたが、久しぶりに来たところ、外国人観光客の多いのに驚きました。
清水坂のような賑わいですf(^^;
でも、中に入ると──。
絢爛豪華な「鹿苑寺金閣」も良いけれど、和の心を静かに感じる「慈照寺銀閣」もいいなぁと、改めて感じた次第。
今出川通は、雅やかな王朝文化の薫りから、留学生も含めた学生の若い輝きまで、京都の魅力がぎっちり詰まった通りであることを再認識しました。
この模様は、きたる5月3日(日)の午後10時から午後11時まで、NHK‐FMラジオで放送されます。乞う、ご期待!