2015.07.08 《西大寺参拝》
奈良と言えば、まず頭に思い浮かぶのが「東大寺の大仏さん」。落語『鹿政談』のマクラでも、「春日大社の鹿」と並んで、必ずネタに使わせていただいております。
連日、海外からの旅行客が耐えない東大寺に対して、いつも閑静な佇まいの中にあるのが西大寺。いや…もっとハッキリ言えば、うら寂しいのが西大寺(^-^*)
奈良市の中心部から外れているとは言え、特急も泊まる近鉄奈良線「大和西大寺」駅から歩いてすぐの所にあるのに、いつも閑散としているのです。
実は、かく言う私も…恥ずかしながら一度も西大寺に入ったことがありませんでした(´`:)
駅前の「ならファミリー」や、西大寺より遠くにある秋篠寺にはよく訪れていたのに…(^-^;
これではいけないと思い立ち、初めて西大寺を参拝──。
いやぁ、実に穏やかな空気に包まれているお寺でした( ^^)/
ご本尊は薬師如来立像。本堂・愛染堂・四王堂・聚宝館の共通拝観券を購入し、順に参拝。
聖武天皇が建立した東大寺に対し、孝謙上皇(重祚して称徳天皇)の発願により建立された真言律宗の寺院──、それが西大寺。
なんと、南都七大寺の一つに数えられているのです。
南都七大寺とは、朝廷の保護を受けた奈良の七つの大寺のことで、元興寺・興福寺・東大寺・西大寺・薬師寺・大安寺・法隆寺を指します。(時として、法隆寺が奈良市外にあることから、唐招提寺が代わりに数えられることもあるとのこと)。
奈良時代に建立されたものの、平安時代に廃れた寺をもう一度復興させたのは、鎌倉時代の高僧、叡尊上人。
以来、西大寺は真言律宗の寺院として静かな佇まいを保ち続けているのだそうです(^-^)
時折、同じ境内にある西大寺幼稚園から聞こえてくる園児たちの笑い声に、心が和みます(^-^)
その後、平城宮跡の東端にある(同じく真言律宗の)海龍王寺にも参拝し、帰途に就きました。
西大寺は、藤原氏と対極の奈良の歴史を探るにおいて、絶対はずせない寺院だと思った次第☆