2017.01.09 《杉本節子さんとの対談 @ 毎日新聞》
9日(月・祝)の毎日新聞朝刊は、ご覧いただきましたでしょうか?
私の対談シリーズ「米團治の粋な噺で行きましょう」──。今回のお相手は料理研究家の杉本節子さん。
京都のご自宅へおじゃましての取材となりました。
その自宅というのが半端じゃない! 国の重要文化財に指定されているのです !!
そもそも杉本家は1743(寛保3)年に創業した呉服商の家でした。幕末の火事で焼けてしまった後も、1870(明治3)年、昔のままに再建され、現在も綾小路通新町西入ル矢田町でしっかりと息づいているのです。
京都の堅苦しい因習から脱出すべく、フランス料理の道に進んだ節子さんでしたが、いつしか「京の町家のおばんざい料理」の先生として、NHKの「きょうの料理」に出演されるようになったというから面白い(^◇^;)
ところで、杉本さん一家は呉服商から離れた後も、京の町家の伝統を次代に伝えるべく、節子さんのお父さまが尽力され、公益財団法人「奈良屋記念杉本家保存会」を設立。ここを広く一般に公開しておられます。
ちなみに、彼女のお父さまは一昨年に他界されたフランス文学者の杉本秀太郎さん。国際日本文化研究センターの名誉教授でもあられた方。
そんな御仁がこよなく愛された洋室に通された私は、アンティークなピアノに目が行きました。
アップライトだけれど、ED・SEILER(ザイラー)の年代物! 「これ弾いてもいいですか」と不躾に訊く私。
お父さまの趣味で改装された洋室以外は、すべて昔ながらの和もの。
台所には竈(おくどさん)があるし、中庭や蔵まですべて昔のまま。「定吉!」「へーい」という落語の会話が聞こえてきそうな佇まい。大阪・船場に残されている旧 小西家と共通するものを感じます。
節子さんと話をしているうちに、ふと思いました。彼女は実に軽やかで明るいなと…。重要文化財を背負っているという重圧はおくびにも出しません。
ゆえに、私は尚更「京の奥深さ」を痛感した次第。
節子さんのお母さまもとても気さくで上品な方( ^-^)(^o^)(^^*)
ふらっと何回も通いたくなる空間です。
たまたま、10日(火)と11日(水)は一般公開の日となります。よろしかったらご覧あれ! 詳しくは杉本家保存会まで☆