2021.04.13 《金沢~鎌倉、二泊三日の旅<前編>》

4月9日(金)~11日(日)、久しぶりに落語の巡業の旅がありました! 近年、交通の利便性が高まったことと経費節約という時節柄、泊まりがけの仕事がめっきり少なくなりました。今や(小笠原諸島などの離島は別として)日本のどこであれ、日帰りができますからね。

(琵琶湖を望む田園風景)

今回、なぜ泊まりがけになったかと言うと、前日に会場でのリハーサルが必要となったからです。10日(土)は石川県立音楽堂邦楽ホールで「シャンソンと落語」の会があったのです。発案者はオーケストラ・アンサンブル金沢のエグゼクティブプロデューサーでいらっしゃる山田正幸さん! https://www.gargan.jp/

毎年恒例「風と緑の楽都音楽祭」のプレ・イベントの一つとして、仕方噺『勧進帳』を取り上げて下さり、しかもそれをシャンソンのコンサートと組み合わせて下さったのです。『勧進帳』と言えば、安宅の関。すなわち石川県小松市に比定されている所です。加賀国でこそ演ずる意味があるというもの。でもね、正直言って、初めは「シャンソンと勧進帳なんて、どうマッチングするんやろ」と一抹の不安がよぎっていたのですが、なんのなんの。前日の舞台リハーサルに入った途端、「いけるやん、これ!」と、嬉しくなりました😀

歌舞伎でお馴染みの『勧進帳』は弁慶・冨樫・義経の人間模様が描かれた人情味あふれるお芝居ですが、同時にこれは最高の音楽劇なのです。日本の伝統音楽である「長唄」が無くては決して成立しません。そして、シャンソンもまた、歌と語りの間(はざま)を行くドラマ。お互い、うまく呼応し合い、本番は沢山のお客様のもと、大いに盛り上がりました❣️

第一部は「すみれの花咲く頃」と題したシャンソンコンサート。薔薇美子さんや長谷川蜜さんをはじめとする石川県の歌姫たちに交じり、私も楽しく歌わせていただきました🎶 そうそう、本番でちゃんと伝えられませんでしたが、タカラヅカの象徴とも言うべき『すみれの花咲く頃』の作詞は、宝塚歌劇団結成当時の理事長だった白井鐵造さんであることを、ここに付け加えさせていただきます(^◇^;)

第二部は「落語と仕方噺」。浅野美希さんの三味線と、私の二番弟子である桂米輝の笛(およびチョイ役)と、私の語りにより、安宅の関が舞台となっている『勧進帳』を演じました(^-^)/

終演後、さるお客様から「能の『安宅』や歌舞伎の『勧進帳』は、元々は富山県高岡市伏木地区を流れる小矢部川の『如意の渡し』という渡船場で起こった出来事だったのですよ」との指摘を受けました。次回は高岡市でせねばなぁと、秘かに思っている私です。

翌日は神奈川県鎌倉市にある鎌倉芸術館での「桂米團治独演会」! その日のうちに金沢駅から北陸新幹線の「かがやき」で東京駅まで移動しました(^◇^;) 「明日も楽しもう!」