2022.04.29 《藤山寛美三十三回忌追善興行に出演》
上方落語界の爆笑王が初代桂春團治とするならば、上方喜劇界の爆笑王は間違いなく藤山寛美さんでありましょう。どちらも一時代を築いた大いなる「芸人」でいらっしゃいました。
昭和9年に他界した初代春團治師の活躍ぶりは書物やレコードでしか知り得ませんが、寛美先生の舞台姿は子供の頃から見てまいりました。昭和30年代生まれの人間にとっては、毎週土曜日の昼間、学校から帰って来るなりテレビをつけて吉本新喜劇と松竹新喜劇を続けて見るのが習慣となっていたのです。尤も、これは関西人だけのルーティーンでしたが^^;
中学生になると、私は足繁く道頓堀の中座に通い、寛美さんの至芸を堪能し、学校の文化祭では『下積の石』を(劇場で観た感覚のまま)25分の脚本にして上演したほどの松竹新喜劇ファンになっていました。
【大阪松竹座の外観】
その私が大阪松竹座での「藤山寛美三十三回忌追善 喜劇特別公演」に出演させていただけるなんて、光栄の至り( ´ ▽ ` )
狂言は二本立てで、最初に松竹新喜劇の劇団員の皆さんによる『愛の設計図』があり、次に藤山寛美さんの数々の舞台姿が凝縮された思い出の映像が流れます。約15分間の名場面集はお客様を必ずや懐かしき昭和の時代へタイムスリップさせることでしょう。そして、その後、藤山直美さんが座頭となっての『大阪ぎらい物語』の上演。私はこれに直美さん扮する船場の商家の娘の兄役を勤めます。
お稽古中から直美さんはお父さんの魂が乗り移ったかのような演技を見せておられます。また今回、林与一さんも共演者の一人でいらっしゃり、私と絡むシーンもあるので、嬉しいかぎりです。連日、大いなる学びに繋がっています(^人^)
道頓堀の一筋裏手の法善寺界隈。
【西門】
【東門】
西門には、藤山寛美さんが
東門には、三世桂春團治師が
揮毫された看板が掛かっています。
実は、寛美さんの書では「法善寺」の「善」の字の横棒が一本抜けているのです。これについては、阿呆役で一世を風靡した寛美さんゆえ、ご本人が「一本足らんほうが似合いまっしゃろ」と仰ったとか、違うとか…。真偽のほどは分かりません^^;
いずれにせよ、道頓堀をこよなく愛した寛美さんの魂を感じる舞台となっています。
2022年5月3日~26日、よろしければ、ご覧ください✨