2024.1.13《 2023〜2024  年末から年始にかけて 》

2022年の秋から始まった十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演の結びとなる南座での顔見世興行を観劇。

私の誕生日を祝っていただいた後、三遊亭萬橘さんが運営する東京・にっぽり館で一席喋り、クリスマスは大阪・山王の動楽亭にて研鑽会を開き、その後「ジルヴェスター・コンサート」出演のため、滋賀県大津市のびわ湖ホールへと移動。

ピアニストには福間洸太朗さんを迎え、キンボー・イシイさん指揮、大阪交響楽団の演奏によるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を堪能し、後半はびわ湖ホール声楽アンサンブルや合唱団の皆さんと共にスメタナのオペラ『売られた花嫁』をダイジェストでお届けし、盛況裡に終演!

「一年何とか無事に過ごすことができた。新年おめでとう。辰年も楽しく高座を勤めよう」と思っていた元日の大地震。私はホテル・ニューオータニ大阪で夕方から始まる新春落語会の舞台チェックをしていた時でした。かなり長い揺れだったので、すぐに震源地を調べたら「能登半島」とのこと! その日の三味線奏者の豊田公美子さんと担当マネージャーの吉川晃央さんが石川県出身なのです。二人ともすぐに実家に電話。幸い双方のご家族とも身体は無事だったのですが、家はめちゃくちゃ。特に豊田さん宅は輪島市なので家は全壊、道路は寸断。電気も水道も止まったまま。北陸地方は大変です。

でも、大阪は揺れはあったものの、普通に街が動いています。そして、落語会にお越しの皆様は初春の笑いを待ち望んでおられるのです。お呼びが掛かった以上、笑いを提供するのが我々の使命。その日も地震の話題に触れずに楽しく高座を勤めました。

元日に続き、二日は天満天神繁昌亭からサンケイホールブリーゼへ。三日は神戸・新開地の喜楽館。四日は東京・池袋の芸術劇場。翌日、羽田から新千歳へ飛んで、六日が札幌・道新ホールでの独演会で、七日は東京・銀座ブロッサムでの独演会。八日が兵庫県赤穂市での米朝一門会で、九日が大阪の動楽亭と神戸・喜楽館の掛け持ちと…。今なお全国各地を廻らせていただいています。

でも、北陸地方への思いは常に心に抱いています。被災された皆様が一日も早く心の安寧を取り戻され、街が回復するようにと祈る毎日です。

今年は辰年。龍神さまも大変でしょうが、何卒よろしゅうおたの申します。そして、私は世の中に何が起ころうとも軽やかに、しなやかに生きていく所存です。