2010.12.31 「ジルヴェスター・コンサート in びわ湖ホール」

大晦日は凄い雪になりました。 同じ近畿エリアでも、大阪と滋賀は全然違います。 大阪なら「あ、雪が降ってきた」程度の時に、滋賀では交通機関を心配せねばならぬほど積もるのです。

この日は大雪になる予報が出たため、私は前日の30日から大津泊まりにしました。 それが幸い。 当日は朝から雪がしんしんと降り出し、お昼前には一面の銀世界に。 雪好きの私は「わぁ、綺麗! この冬初めての雪景色や…」と、しばし感慨に耽っていましたが、ほどなく「今夜の公演、お客さん来れるのかな?」と、現実の世界に引き戻されました。

実際、昼前には名神高速の京都以東が通行止めに…。 (自称敏腕マネージャーの吉川は「私のクルマは四輪駆動ですから」と、当日、意気揚々とクルマを走らせました。 「高速がダメでも、一般道路で行けるだろう」と…。 ところが、山科で停滞に巻き込まれ、ニッチもサッチも行かなくなってしまったとのこと。 いくら自分のクルマがが大丈夫でも、前で事故が起きたら一溜まりもありません。 結局、10時間も缶詰め状態になったとか…。 冬タイヤを履かせていないドライバーほど、無謀な判断をするようですね)。

JRは動いているものの、寒いし、道は混んでるし、「ひょっとしたら、殆んどお客さん来(け)えへんのと違(ちゃ)うやろか」と不安な気持ちに駆られながらゲネ(通し稽古)を終え、午後10時の開演時刻を迎えます。 すると──、ほぼ八割方のお客さんで会場が埋まったのです。 めっちゃ嬉しかった。 皆さん、本当にありがとうございました(^.^)(-.-)(__)

お客さんに勇気づけられた出演者一同は、いつも以上の力で舞台を勤めました。 クレール・ジボーさん指揮による大阪交響楽団の演奏は実に熱く聴こえてきました。 そして、金子三勇士さんのピアノは素晴らしかった! 「さん」と言うより、「くん」と言ったほうが似合う21歳の若き青年なのですが、凄い才能の持ち主です。 日本人のお父さんとハンガリー人のお母さんの間に生まれた彼は、6歳の時に単身ハンガリーに渡り、音楽の勉強を始めます。 成績優秀に付き、飛び級で何と11歳にして国立リスト音楽院に入学。 2006年に帰国した後、2008年にバルトーク国際コンクールで優勝した実績を持っておられます。 その三勇士(ミュウジ)くんは、超絶技巧曲として知られるリストのピアノ協奏曲を、平易な曲を弾く感じで、そして堂々と弾いたのです! これからがとても楽しみなスターの誕生に立ち会えました☆☆☆

後半は、ヴェルデイを中心としたオペラアリアです。びわ湖ホール声楽アンサンブル、ジルヴェスタ合唱団の歌でとても優雅な気持ちになったところで、新年まであと3分。 一階席から四階席まですべてのお客さんによるカウントダウンの大合唱、そしてファンファーレ隊による演奏でめでたく年が明けました。

新年1曲目は、なんと私の指揮による演奏です。 曲目はグリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲。 私は分からないながらもただただ自分の好きなテンポでタクトを振りました。 すると、オーケストラがそれに付いてきてくれるのです(当たり前なんだけど)。 そして5分後、大きな拍手を頂くことができました(^0_0^)

これはひとえにオーケストラの皆さんのお蔭です。 コンサート・ミストレス、林七奈さんを中心とする大阪交響楽団は結成30周年──。 名称が大阪シンフォニカー交響楽団から大阪交響楽団に改まりました。 このオケはとてもエネルギッシュで、偉そうに言うけど、ここ数年ますますクオリティが高くなってきたと思います。 東京のクラシックファンの方も一度聴いてみて下さい。

そんな訳で、終演後もびわ湖ホールでワイワイやっているうちに、気づけば午前2時。 仮眠して、翌朝、武庫之荘の米朝宅へ向かいました。

  
雪化粧したびわ湖ホール        本番前の姿。いい緊張と集中が必要な時間帯です。

 バレエ・ダンサーの山本智子、ひとみ親子と。         

 終演後、金子三勇士くんと。
(逆光で顔がはっきりしません。綺麗なのを見たい人は彼のサイト-ピアニストmiyuji-へどうぞ)