小米朝流「私的国際学」<27>(2001年7月14日)

今回の参院選には女優、レスラー、歌手がめじろ押し。まるで『オールスター・夏の大運動会』って感じだ。

でも、忘れちゃならないのは、結果がどうであろうと、経済大国ニッポンはすでに終わりを迎えているという事実だ。今年度末の国の借金は666兆円になるという最後通告まで受けている。

思えば、1990年に株価が暴落して以来、カネと時間を無駄に使わされてきた。暗闇の中に一条の光が見えたころ、国際決済銀行(BIS)が「日本の都市銀行は自己資本比率8%を順守せよ」との通達を出したため、一斉に貸し渋りが起こり、相次いで企業が倒産。当時の橋本首相が責任をとるような形で、前回の参院選でものの見事に敗北。あとは野となれ山となれ・・・。

外国勢に絶対服従の小渕首相、宮沢蔵相、速水日銀総裁が膨大な財政出動をして、その場をしのいだ(政府が借金返済能力を失った)。この年、映画『タイタニック』が封切られたのが実に象徴的。沈まぬはずの船が沈んだ・・・。

ようやく、日本再生を本気で考える人が増え、小泉総理が誕生。彼は沈みゆくニッポン丸の中で、新しい木の船を必死になって作っているようだ。親船が沈むのはもはや仕方ない。それでも半分は救おうと・・・。果たして、最後まで彼についてゆける国会議員が何人おられるだろう。相変わらず、国際機関は日本に厳しいからね。

6月26日付の紙面にはこうある。「BISは、現在作成中の銀行の新しい自己資本比率規制について、(日本などの要望に十分こたえるため)当初の2004年から2005年に遅らせる」と。どうして前倒ししてでも実施してくれないの。早く比率を下げてもらいたいというのが私の意見だ。1%下げるだけでも、銀行から中小企業に貸し出せるカネがうんとできる。これぞ公的資金を使わぬ金融緩和ではないか。

「BISさん、あなたは本当に日本のためを思っているの?それとも2005年まで景気を低迷させる気なの?」と質問できる議員さんが当選することを切に望んでいる。